環水公園の隣に立つ、ひと際目立つ全身ガラス張りの大きな建物があります。これは2017年にOPENしたばかりの、公立美術館です。
富山県美術館-Toyama prefectural museum of art design-、通称TADは、『世界的コレクションを新しい切り口やテーマ、見せ方で紹介する』といったコンセプトをもとに建てられました。また、富山の新しいビューポイントとなる美術館を目指しており、 気軽に訪れることのできる施設が揃っています。
館内や屋上からは立山連峰や環水公園が見られ、たくさんの人が集まることのできる場所となっています。
また、この施設は富山の伝統工芸とコラボレーションなどしたりして、地域の産業の活性化にも寄与しています。
平日休日問わず、富山県美術館には絶えず人が訪れています。その理由を、実際に取材して体感してきました。
目次
コレクション展
富山県美術館には、企画展と常設展があり、企画展として「コレクション展」を展示しています。
展示室は6つあり、そのうち2Fは絵画を中心にしたコレクションが、3Fにはデザインされたものが展示されています。なかには、富山に縁のある芸術家の方の作品や収集物が展示してあります。展示は年に4回入れ替わります。
<<3Fのコレクション展>>
ミュージアムショップ
美術館に入ってすぐの所に、色々なグッズが売っているところがあります。
ここは「ミュージアムショップ」というところで、他の雑貨屋さんとは一味違ったグッズを買うことができます。
例えば、富山特有の「立山連峰」や「雷鳥」など「富山柄」をあしらった靴下やマスキングテープ、その他にも富山にゆかりのある人がデザインした商品が陳列されていて、飽きることなく見ることができます。
また、美術館が作ったオリジナルグッズもあります。最上階にある「オノマトペの屋上」にちなんで、「ぷりぷりペーパーウェイト」(うんちの形です笑)や、記念になるお洒落なポストカードも販売中です!
<<美術館オリジナルのポストカード>>
それだけでなく、季節によってはその時期らしいグッズも取り揃えられており、秋から冬にかけてはカレンダーや年賀状があります。
屋上庭園
晴れた日は、美術館の屋上で遊んでみてはいかがですか?
ここは、「オノマトペの屋上」と呼ばれる所で、その名前の通り「ふわふわ」や「ひそひそ」などのオノマトペから連想される遊具が置かれています。子供たちだけではなく、大人の方も一緒に楽しめるのがポイント。美術館の方に聞いたところ、明確な遊び方は決まってないらしく、自分で連想して遊ぶのが「オノマトペ」の遊具の特徴なんだとか。
アトリエ
2Fには、「創る」を誰もが楽しめるアトリエがあります。
ここでは、子供から大人までが参加できる「ワークショップ」を定期的に行っています。
今までに、アーティストの方を招いた工作教室や、アニメーションを作ったりするイベントが行われました。
訪問した日は「もじって描こう!デザインカードづくり」という「オープンラボ」を開催していました。
平日は午前中と午後で一回ずつ、土曜日は午後から三回に分けて1回 4組限定でアトリエに入り、楽しく創作できるといったプログラムを行っているそうですよ。
内容としては、『あ』から『ん』までの平仮名が一文字ずつ書かれた白いカードの中で好きなものを一つ選び、その文字をデザインするというもので、文字独特のかたちや、その文字の持つ意味について考えながら絵を描いて一つの作品にしてみることに挑戦してみましょう。
実際に一枚選び、自分の思いつくままに平仮名をデザインしてみました。こういった経験は学生の時以来で、デザインを存分に楽しむことができました。
Swallow Cafe (スワローカフェ)
この美術館には、見る、作るだけでなく、美味しいものを食べることもできる施設が揃っています。そんな場所が2箇所あるのでご紹介したいと思います。
オープンテラスがとても心地よさそうな空間、「swallow Cafe」というカフェが美術館の入口の所にあります。店内も明るい雰囲気でフラっと立ち寄る方も多いです。
Swallow という店名には古英語でいう「飲む、食べる」という意味と、日本語の「座ろう」という言葉が掛けられていて、アートやデザインに触れた後、ゆっくり過ごしていただきたいという意味が込められているそうです。
この店の特徴として、「べーグル」がランチにもデザートにも出てくるというものがあります。このベーグルには富山県産の米粉が使われており、その香ばしさと食感を楽しむことができます。
人気の「ベーグルフレンチトースト」は、そのベーグルを注文してから焼くという本格さで、中はふわふわ、外はキャラメルで香ばしく、その上にのっているベリーとバニラアイスにメープルシロップをかけて食べることができ、他にない幸せな甘さを堪能することができます。
<<店長さんおススメの「贅沢スワロウプレート」>>
カリカリのベーグルと、栄養たっぷりのスープ、旬の野菜のデリカがお皿に載っていました。ちなみに、ベーグルだけでなく野菜も富山県産のものを使っているそうです!
ビビビとジュルリ
美術館の3Fに4月からOPENした是非オススメしたい「レストラン」があります。「ビビビとジュルリ」という個性的な店名には感性を”ビビビ”と刺激し、イートで食欲を“ジュルリ”と刺激する。という意味があり、この2つの観点にフィーチャーして料理を出しているそうです。
「アートとイート」というテーマを掲げているだけあって、一つ一つのメニューにこだわりを感じることができます。
こちらは、美術館のオノマトペの屋上から発想した「オノマトペサンデー」。
見た目も味も斬新で、その鮮やかな見た目と、他にないデザインに目を引かれること間違いなしです。
中には‘サクサク’とした食感のメレンゲと、旬のフルーツが私達を迎えてくれます。その後には目の覚めるような味のいちごシャーベット、それと相反する‘ふわふわ’な生クリームがお互いの味をひきたてていました。このサンデーはこの店の看板メニューで、食べるのがなんとも楽しみになる1品です。
この店の特徴として、「富山県美術館」で開催している「企画展」をモチーフにしたメニューをその時期ごとに出しているそうです。
過去に開催していた「ポーラ美術館コレクション展―印象派からエコール・ド・パリ―」の時には、芸術家のクロード・モネが好きだったというスコーンを使ったメニューが人気だったとか。
この他にも‘コンポジションプレート’という肉、米、野菜、味噌、卵など、富山各地から美味しいものを集めた女性に人気のプレートもあります。
ひとつの皿に色んな魅力が詰まっていて、満足すること間違いなしです!(季節によってラインナップも変わります。)
ここでもこの店ならではのこだわりがあり、それは、食材だけでなく器までを富山県産のものを選んでいるということです。「ビビビとジュルリ」のメニューを見ていただけばわかるのですが、このプレートには「高岡市」に伝わる「鋳物鋳造」の技術が光るアルミ鋳物の器、そして職人さんがトチノキに黒漆を刷り込んで仕上げた丸い木のプレートも使われています。
新鮮な食材も味わえて、さらに富山の伝統や技術を知ることができます。
また、大きい窓の向こうには環水公園が見え、その向こうの景色を見ながらの食事は有意義な時間を過ごせるに違いありません!
<<環水公園を一望できるテラス>>
くま割
この美術館を楽しむにあたって、「くま」という要素は外せません。
ゾウや、ライオン、キリンなどの動物をモチーフにした木彫で注目を集めている日本人美術家の‘三沢厚彦氏’が制作した、いろいろなクマ達が館内と屋外広場を彩っています。
<<館内 三沢厚彦《Animal 2017-01》2017>
それらは、姿かたちはどこかリアルでありながら、表情が何とも言えない「不思議さ」を醸し出していて、見る人を魅了してしまうこと間違いなしの作品です。
<<屋外広場>> 写真右から 三沢厚彦《Animal 2017-03-B》,《Animal 2017-01-B》,《Animal 2017-02-B》
この美術館では、この‘くま‘に因んで特典があり、それは、美術館に来店する際、「くま」のモチーフの服やグッズを持っていくと入館料が割引になるというものです。もしそういいた服を着たり何かしらのくまのものを持っていれば是非チケットカウンターの方に出してみましょう。
さいごに
気軽に立ち寄れる「富山県美術館」、いかがでしたでしょうか。五感をくすぐる体験がしたいなら、ぜひここに立ち寄ってみることをオススメします。
<<PHOTO GALLERY>
<<2Fのガラス張りの窓から見える風景>>
<<3Fにある図書コーナー 雑誌の他、専門書などもあります。>>
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富山県美術館のHP
富山県美術館 | Toyama Prefectural Museum of Art and Design (tad-toyama.jp)
アクセス
■JR富山駅から
徒歩17分
■バス
7番のりばより乗車、「富山県美術館」下車すぐ
■タクシー・車
約10分
■北陸自動車道から
車で富山I.C.から国道41号経由、約15分(渋滞なしで)