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カメラと写真に浸れる場所。「ミュゼふくおかカメラ館」

 

あいの風とやま鉄道の「福岡駅」から少し行った所にこの素敵な施設はあります。面白い形をしているこの建物は、写真・映像文化の魅力を発信しているミュージアムです。

写真だけを取り扱ったミュージアムは北陸でここだけで、日本でも数が限られています。建物は「住吉の長屋」や「淡路夢舞台」などを建築したことで有名な安藤忠雄氏が手掛けています。無機質な鉄筋コンクリートを基に造ったことで、カラフルで有機質な「写真」が映える設計になっています。

カメラ

南側

建物は北向きに建っており、南側から暖かな光を取り入れることで時間の経過によって違う表情を見せてくれる所もこのカメラ館の魅力の一つです。雰囲気がお洒落なバーのようで、居心地のいい空間になっています。

 

中庭

<<癒される中庭>>

写真企画展

企画展は年に7回入れ替えしていて、世界的に有名な方の写真を展示することもあれば、富山ゆかりのフォトグラファーさんの特集をすることもあり、一つ一つの写真展に豊かな個性があります。

 

過去の企画展

岩合光昭 写真展「ねこづくし」

世界的に有名な動物写真家で、猫などの身近な題材からペンギン、虎など世界各地の野生動物を撮っています。ねこづくしでは、人々の暮らしと共に生きる猫たちの可愛らしくも逞しい日常をご覧いただけました。

 

岩橋 崇至 写真展「わが心の山」

岩橋氏は本格的に写真を撮り始めて60年、『わが心の山』をメインテーマとして国内外を問わず、「世界の山々」を追い続けてきた山岳写真家です。世界的に高い評価を受け、圧倒的なスケールで表現された山岳写真の数々をご紹介していました。

 

photophoto2

<<写真とシンプルな背景の融合が素晴らしい>>

 

スロープを下りながら写真を見ていく流れになっていて、車いすの方でもゆっくりと写真を見ることが可能です。

 

スロープ

フォトコンテスト

また、このミュージアムではフォトコンテストも開催されています。テーマに沿って写真を応募し、入選した作品はミュージアムに飾られるといった流れになっています。これにはだれでも参加することができ、そこから有名な写真家になった人もいるのだとか。

 

カメラの歴史

カメラの歴史

この写真館の特徴として歴代のクラシックカメラが多く展示されているというものがあります。カメラの歴史は紀元前にも遡ります。

最初は現像をすることはできず、暗い部屋に穴をあけて、そこに外の風景を映すことしかできませんでした。その後、映像を紙に映す「カメラ・オブスクラ(暗い部屋)」という機械が流行り、絵を描くための道具として用いられました。その後、何人もの発明家が様々な画法・写真法によって新技法を編み出していきました。

 

歴史1

 

ニセフォール・ニエプスが発明したヘリオグラフィという写真技法は、一枚の写真を撮るのに8時間もかかったそうです。その後、ネガポジタイプという写真法ができ、焼き増しができるようになりました。

感度が高く露光時間が短い「湿版カメラ」と好きな時に現像できる「乾板カメラ」も登場し、今のカメラにいっそう近づいた商品ができてきました。

このことは、写真の大量現像を可能にし、アマチュア写真家も多く輩出したそうです。

 

湿板カメラ

<<湿板カメラたち>>

その後、かの有名な「コダック」からボタンを押すだけで写真が撮れるカメラが出ました。この時代になると「小型化」「手軽」が主流になり、コダックのヴェスト・ポケット・コダックは名前の通りベストのポケットに入る大きさで人気を博しました。

カメラ2

 

精密カメラはさらに進化し、「ライカ」というドイツの光学機器メーカーと、「コンタックス」というカメラメーカーが台頭し、報道写真に大きく影響を与えました。そこからキャノン・ニコンが力をつけ、世界中で評判になりました。

 

一眼レフカメラはその後登場し、東京オリンピックでも使われました。このように、カメラは様々な人物の発想から生まれ、様々な会社・メーカーが切磋琢磨して今日のカメラができたということです。

 

沢山のカメラを見ながら歴史を学べるのは北陸でここだけです。

 

カメラ3

 

また、映像で分かりやすくカメラの歴史を説明してくれるコーナーもあり、ここはまさにカメラの全てに精通している場所といっていいでしょう。

 

カメラ4

カメラ5

孫とおでかけ支援事業

ミュゼふくおかカメラ館には、おじいちゃんおばあちゃんがお孫さんと一緒に訪れると観覧料が無料になるという特典があります。このプロジェクトは富山県内の美術館・博物館・施設で行われており、県が率先してお孫さんとのおでかけを推奨しています。対象施設は「孫とおでかけ支援事業」で調べると出てきます。おじいちゃんおばあちゃんは、お孫さんと一緒に富山の色んな所に行ってみてはいかがでしょうか。

 

おわりに

ミュゼふくおかカメラ館は写真・カメラのよさを再認識させてくれるまたとない場所です。静かで落ち着いた雰囲気なので何にも邪魔されることなく展示を鑑賞することができます。企画展で写真家の方の世界観をじっくりと見てみるのも、またカメラの歴史にそっと触れてみるのも良いでしょう。

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ミュゼふくおかカメラ館のHP

ミュゼふくおかカメラ館|企画写真展・カメラコレクション展・写真館 [富山県高岡市] (camerakan.com)

「孫とおでかけ支援事業」HP

富山市 「孫とおでかけ支援事業」について (city.toyama.toyama.jp)

アクセス

■電車で あいの風とやま鉄道福岡駅下車、徒歩5分

■車で  能越自動車道福岡I.Cより5分